『この本を盗む者は』深緑野分

書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、深雪は残されたメッセージを目にする。“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”本の呪いが発動し、街は物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り元に戻らないと知った深冬は、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて―。(「BOOK」データベースより)
2021年本屋大賞ノミネート作。
深緑野分さん、はじめましての作家さんです。「ふかみどり のわき」と読むんですね。
色々とプロフィールを調べていると、1983年生まれ!
私のひとつ年上ということで勝手に親近感がわいてきているななこです。笑
本好きの食指が動きそうなタイトルに加え、素敵な装丁!
これはさぞや面白いのだろうと思ったのですが、正直なところのめり込むことができませんでした…
今年の本屋大賞ノミネート作の中では、おそらく唯一のファンタジー作品だし、
個人的にファンタジーは大好きなジャンルのはずなのですが。どうしてだろう。
毎晩少しずつ読み進めていたんですが、いかんせんなかなか読書が進まない(´Д`|||)
主人公・深冬の父が管理人を務める「御倉館」。
その巨大書庫から本が盗まれると、ブックカースと呼ばれる本の呪いが発動し、
深冬が物語の世界に入り込んでしまい、犯人を捕まえない限り元の世界に戻ることはできないのです。
地下洞窟にいる銀の獣を描いた第3章や、すべての人が忽然と消えた街に入り込む第4章はとても映像的で
世界観自体は好みだったのですが、おそらく深冬の性格はあまり好きではないんだろうなぁ(笑)
自分勝手で、いきがってて、でも人恋しくなると泣いてしまうような女の子。
等身大の姿なんだろうとは思うんだけど、物語の世界だけはもう少しカッコイイ主人公像でいて欲しい。
後味は悪くなかったですが、素材が良かっただけにちょっと残念。
深緑さんは『ベルリンは晴れているか』なども気になるので、他作品も読んでみたいです。
個人的評価:★★★
- 関連記事
-
- 『お探し物は図書室まで』青山美智子
- 『この本を盗む者は』深緑野分
- 『推し、燃ゆ』宇佐見りん