2021年1月 読書メーターまとめ
読書リハビリ最初の月にしては、なかなか読めたかな。
1月の読書メーター
読んだ本の数:16(小説7冊・漫画8冊・雑誌1冊)
読んだページ数:4191
ナイス数:514

2021年の一冊目。結婚してから読書量がとんと減ってしまったので、リハビリにと選んだ本でしたがあまりにも面白くて一日で読了!話題の中国SF、想像以上にハマってしまいました。文化大革命を描いた第一部は、最初は少しだけ苦戦。でもVRゲーム「三体」が登場してから途端にエンターテイメント性を増してきます。「脱水…」がちょっとクセになりそう(笑)巨大ピラミッドや振り子モニュメントはこれでもかというほど想像力を刺激されるし、ゴースト・カウントダウンなどのサスペンス要素は、自らの常識を揺さぶってくる。続編も楽しみです。
読了日:01月03日 著者:劉 慈欣

1巻同様に、可愛い絵柄にカモフラージュされてはいるけれど凄まじい内容。国のためにと女性としての幸せを捨て戦地に赴くことを望んだのは、やはり時代だったのだろうと思う。自慢の長い髪を失い坊主になり、スカートを捨て男と同じ格好をして、彼女たちが得られた幸福とは一体なんだったのだろうか。敵の骨を砕きながら進む車輪、全滅したせいで大鍋の料理が無駄になったという料理番。彼女たちの心にも、そして読者の心にも決して拭い切れない黒い感情を残していく。
読了日:01月03日 著者:小梅 けいと

スピード感のあるSFでサクサク読み進められました。電子葉が脳に移植され、あらゆる情報を瞬時に取得できるようになった時代。昔は調べるときは紙の辞書を引いていました。今やスマホですぐに検索ができる時代です。でも時代がさらに進めば…脳内で瞬時に検索・処理ができてしまう。つまり「検索」することと「知っている」ことは同じ意味!便利なようでなんと危うい超情報化時代なのだろうか…。この世で最高の情報処理能力を持つ少女・知ルは、感情がありながらもやはりロボットのように見える。人類の行き着く先を想像し、少しぞくりとした。
読了日:01月06日 著者:野崎 まど
![ナショナル ジオグラフィック日本版 2021年1月号[雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51O2Lh8z+-L._SL120_.jpg)
2020年はパンデミックにより、他国間の往来がなくなったことに加えて、他国の情報まで少なくなり何となく焦りを覚えた。毎日入ってくる情報といえば、明けても暮れても感染者の人数だけ。閉ざされた環境下で、繰り返し同じニュースを聞いて一喜一憂することに嫌気が差し、忙しさで定期購読を中止していたナショジオを再開することにしました。やはりナショジオ強し!世界中に写真家がいるから、日本のニュースでは知ることのできない、ありとあらゆる国の「今」を教えてくれる。表紙はコロナ対応に疲れ切ったベルギーの看護師2人。
読了日:01月10日 著者:

宿儺の表紙がカッコ良すぎる!もはやひれ伏すしかない圧倒的な領域展開。それに凄まじい展開続きで、気持ちの整理が追いつかない…!次々と一般人を巻き込む死闘に読めば読むほど絶望的になるけど、救いがあると信じたい。次巻は野薔薇の過去編か?この作者さんのことなので誰が最後まで生き残るのか決して油断はできないし、早く読みたいけど読むのが怖い。
読了日:01月10日 著者:芥見 下々

まともな神経では読めないチェンソーマン。これを週刊少年ジャンプで連載していたとは未だに信じられない!どこまでもシュールで、芸術的ですらある。こんなにも先が読めない漫画は初めて。マキマさんが本気で爆笑しているシーンにはぞくり。コベニちゃんのポンコツ感がもはや癒しでしかない。さりげなく62コンボ。オーダー入りました!ファミリー!あぁ頭がおかしくなるw
読了日:01月10日 著者:藤本 タツキ

闇テニスに爆笑。ロイドの「多少かじった程度」は一般人のプロレベルか。笑 そして夜帷の冷静沈着な見た目に反して分かりやすい「好き」に終始ニマニマしちゃいました。もちろんヨルさんの可愛さには負けるけど…!そしてアーニャとベッキーのセレブなお買い物と、それを見守るマーサの関係がキュートすぎる。
読了日:01月11日 著者:遠藤 達哉

九龍城好きとしては、興味津々だったマンガ。増築に増築を重ねたこの猥雑な感じ、その日暮らしの住人たち、でも一度魅了されたらもう離れられない…この雰囲気が抜群に好きです!九龍の不動産屋の日常と恋愛を描いた物語かと思いきや、おやラストは不穏な空気。途端に非日常とミステリに突入します。鯨井さんは一見クールな美女に思えるけど、全然そんなことはなくて中身はものすごく可愛い。スイカとタバコは合うんかな…笑
読了日:01月15日 著者:眉月 じゅん<
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途端にSFミステリー色が強くなったきた!鯨井さんと工藤さんの過去編(ということになるのだろうか?)。何が本物なのか?新キャラ蛇沼先生は、本気で気持ち悪く真の意図が掴めない。鯨井さんに執着する理由、工藤さんの苛立ちと焦り、一体何があった?何はともあれ、楊明と鯨井さんが2人でレモンチキンを頬張っているシーンがめちゃめちゃ美味しそう。この漫画、女子たちがみんな可愛すぎる!
読了日:01月15日 著者:眉月 じゅん

登場人物の過去が少しずつ明らかになるにつれて、だんだんとストーリーが理解できるようになってきた反面、新たな謎が次々と出てくる。何が本物で何が偽物なのか?でも偽物だとしても、美味しいものを食べたり、ちょっとした言動にときめいたりと新たな記憶が刻まれているのも事実で。今後が気になる!!九龍の描写は相変わらず素晴らしい。生活のすべてがこの九龍で完結しちゃうんだもんなぁ。かつて香港にあった本物の九龍城砦はもう取り壊されてしまったけど、こんな場所で確かに日々の生活を営んでいる人たちがいたことに感慨深い気持ちになる。
読了日:01月15日 著者:眉月 じゅん

ブラッドベリの作品を読むと、どこかノスタルジックな気持ちにさせられます。寒い夜に深海からやってくる何かを描いた「霧笛」はラヴクラフトを彷彿とさせる面白さ。二つの町が競い合うように城壁の形を変えていく「金の凧、銀の風」は童話風で楽しい。少年の外見のまま年を取らなくなってしまった男の話「歓迎と別離」は、萩尾望都さんでぜひ漫画化して欲しい。特筆すべきはやはり表題作「太陽の黄金の林檎」で、冷え切った地球を温めるために太陽から火を持って帰るなんて発想が素晴らしすぎる!解説が中島梓(栗本薫)さんだったのも嬉しかった。
読了日:01月17日 著者:レイ ブラッドベリ

先にコミックのほうを読んでいたのでキャラクターのイメージがしやすかったです。ラノベらしくサクサク読み進められる軽さと、あらゆる人物の思惑あふれる後宮もので彩雲国をちょっとだけ思い出したり。主人公の猫猫がその辺の男性よりも男らしい性格で、歯に衣着せぬ物言いが小気味良い!生まれ育った環境のせいなのか、薬屋という仕事のせいなのか、はたまた生まれ持ったものなのか。頭がよく一歩引いたところから眺める冷静な判断に好感が持てます。
読了日:01月20日 著者:日向 夏

相変わらずの美麗すぎる絵を隅々まで堪能!アイスランドの人を寄せ付けない荒涼とした大自然の中、慧とリリヤの距離が少しずつ縮まっていることにニマニマ。本当この2人、自然体で笑うようになったし、感情をしっかり表に出すようになったなぁ。三知嵩はお兄ちゃんの前ではまるで子供だけど、大人からうまく情報を引き出すような話術を見ていると慧の探偵稼業の助けになりそうな気も。巻末に収録されていた補遺も面白かったです。少年時代の慧のエピソード、まだまだ謎は尽きない…!あとホットドッグ食べたくなりました。
読了日:01月23日 著者:入江 亜季

「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ。また彼らに再会できたという感動と、本編で語られなかったエピソードを読むことができてますます作品に深みが出ましたね。宮沢賢治の「春と修羅」が好きだという理由で岩手まで行ってしまった自分としては、「袈裟と鞦韆」(これブランコって読むんだ!)が一番心に沁みました。作曲家の重荷は計り知れない。でも読み終わった後に脳裏に浮かんだのは緑溢れるホップ畑でした。ホフマンと風間塵との初めての出会いを描いた「伝説と予感」もすごく良かった。まるで初恋のようにキラキラした瞬間でした。
読了日:01月23日 著者:恩田 陸

最初こそ作者がジャニーズというバイアスがかかっているせいで斜に構えて読み始めた部分もありましたが、これが想像以上に面白い。料理人の父と微妙な距離を起きつつも自らもその背中を追いかける蓉。マッチングアプリ「オルタネート」に絶対的な信頼を置き相手を待ち望んでいる凪津。そして高校を中退したがかつての親友を忘れられず上京した尚志。3人の物語が時には離れ、時には近づきつつも終盤に向かってぐわぁーっと怒涛のごとく収束していき読んでいて興奮が止まらなかった。瑞々しい青春小説でした。
読了日:01月24日 著者:加藤シゲアキ

小惑星が衝突し、1ヶ月後に人類が滅亡することがわかったら。今まで築き上げてきた生活はあっという間に「無」になる。理性のたがが外れた人間は、瞬く間に墜ちるところまで墜ちる。略奪、殺人が横行し狂った世界になるのはあっという間だ。そんな中、好きな子を守りたい友樹、元ヤンの母親、暗い過去を持つヤクザ、底辺から上り詰めた歌姫。様々な感情と思惑が交錯し、最期の日を迎える…絶望の中で人々は何を見つけるのか。極限の状態にある人間の心理描写が巧く、本を読んでいることすら忘れてしまうほどのめり込んだ。衝撃的な物語でした。
読了日:01月30日 著者:凪良 ゆう
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