勝山海百合「竜岩石とただならぬ娘」読了♪
著者:勝山海百合
出版社:メディアファクトリー
サイズ:文庫
ページ数:259p
発行年月:2008年08月
価格:\620(税込)
【竜岩石とただならぬ娘】勝山海百合
大富豪・李大人の屋敷で働くことになった少年・李衛は、白家へ大事な書物を借りてくるというお遣いに出る。雨が降っているわけでもないのに、着ている物が濡れて重くなる。路地には蟹の鋏で首を挟まれた猫、人気のない白家では壁から一抱えもある魚が泳ぎ出て来て仰天。果たしてその魚は、白家のお嬢様?不思議な話の数々、中国志怪風の“怪しい話”20話。第2回『幽』怪談文学賞短編部門優秀賞作品の文庫化。
これは読書メーターで出会った作品です〜
これマイナーなのかなぁ。本屋さんで見つけるの超苦労しましたよ…(笑)
解説でもありましたが、まさに「幕の内弁当」のような一冊。
中国の志怪小説のような作品もあり、日本を舞台にした怪奇譚のような作品もあり…
これ一冊で、様々な味の"不思議で怪しいお話"を楽しめます。面白かったですよ〜
20話の短編・掌編が収められていますが、特に好みだったのは↓↓
「楽師の息子」
ある盲目の楽師には幼い姉弟がいた。
その日も、ある金持ちの屋敷を訪問していたが、姉がそこの主人に見初められ…
姉を慕う小さな弟の気持ちで胸がいっぱいになります。こんなお話、本当にありそうだ。
「流刑」
ある男は、旅の途中、城郭の外れの廃屋で美しい女と出会った。
毎晩廃屋に出かけては、精気を取られて戻る主人を見て、使用人はある晩そっと後を付ける。
そこで使用人が目にしたものは…
「白桃村」
辺境警備に派遣された若かりし頃の祖父のお話。
たった2ページのショートショートなのに、じんわりと目頭が熱くなりました。
やっぱり中国=桃ってイメージが強いよねぇ(笑)
他にも表題作「竜岩石」「ただならぬ娘」や、「ひょうたん息子」「媚珠」も良いなぁ。
サラリとした文体なのに一度読んだら忘れられない、珠玉の短編集です
近いうちに「十七歳の湯夫人」も読んでみよう。
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