今邑彩「いつもの朝に」読みました〜☆
【いつもの朝に(上)(下)】今邑彩
成績優秀でスポーツマン、中学でミラクルボーイと呼ばれる桐人。そんな兄とは正反対で勉強が苦手の弟・優太。三年前に最愛の父を事故で失い、画家の母・沙羅と三人暮らし。ある日、優太は、父の形見のぬいぐるみ“ユータン”の中から、手紙を見つける。そこには、父から優太への謎のメッセージが書かれていた。優太は、父の言葉に従い行動を起こすが……。家族の愛と絆をミステリアスに描く感動巨編。
久しぶりの今邑作品です〜
文庫化されたとはいえ上下巻だし……と、少しだけ躊躇していたんですが、
表紙のクマさんの訴えかけるような瞳に負け、とうとう購入してしまいました(笑)
でも、読んで良かった!! 本当に、素晴しい作品でした
今邑さん=ホラー作家という印象が強いんですが、この作品はちょっと毛色が違います。
容姿端麗で頭脳明晰、スポーツマンで誰からも好かれる兄・桐人。
成績も顔もパッとせず、チビで、頭も悪く、良い所が一つもない弟・優太。
とても同じ両親から生まれたとは思えない、まるでオセロのように正反対の兄弟。
何をやらせてもそつなくこなす兄に、優太はコンプレックスを抱いていたが、
ある日、優太のお気に入りのクマのぬいぐるみ"ユータン"から、1枚の手紙を発見する。
その手紙の中には、死んだ父から優太に宛てた謎のメッセージが残されていて…。
いやぁ〜、この本続きが気になって気になって……上下巻、あっという間に読了です。
ぬいぐるみに隠されていた謎の手紙に従い、自分の出生を解き明かそうとする優太。
完璧な両親と兄の中で、自分だけがあまりにも異質…。その気持ちが痛いほど伝わります
でも、それだけでは終わらないのよね。
兄弟の出生の秘密に、過去の牧師一家殺人事件が深く結びついてきます。
善良で近所からも評判の良かった牧師一家は、何故一人の少年により惨殺されたのか??
実は、上巻の中盤くらいで先は読めちゃうんですよ〜
それでもラストまで怒涛の勢いで読み進めたのは、今邑さんの筆力によるものでしょうねぇ。
読了後、あまりに胸が一杯で、しばらく魂が抜けたように呆然となってしまいました。
でもそれは決して切なさとかやりきれなさからくるものではなくって、、、
"完全燃焼した!!" という充実感からくるものみたいです…(笑)
★ よく、「ベタな展開」と評されているのを目にしますが、、、ベタでここまで読ませるのは流石だと思います。笑
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