長野まゆみ「箪笥のなか」読みました〜♪
著者:長野まゆみ
出版社:講談社
サイズ:文庫
ページ数:253p
発行年月:2008年09月
価格:\540(税込)
【箪笥のなか】長野まゆみ
親戚の家からゆずりうけてきた、古い紅い箪笥。年ふりたそのひきだしからは、時に不思議なものたちがあらわれる。そして箪笥によばれるように、この界ならぬ人びとがわたしを訪ねてやってくる―。現実と非現実のあわいの世界をたゆたうものものを細やかな筆致で描き出し、著者の新境地を示す連作小説集。
ブログのお友達miwaさんに紹介していただいた本です〜 (miwaさん、いつもありがとう!)
ずっと気になりつつも、なんとなく手を出さずにいた長野さん。
miwaさんの評価が高かったので、今回初めて挑戦してみることにしました。
「わたし」が親戚から譲り受けたのは、古くて紅い箪笥。
その箪笥を譲り受けた時から、「わたし」と弟の周りでは次々と不思議な現象が起こり始める。
箪笥の引き出しが、現実と異界を結ぶ役割を果たしているようで…
こういう古めかしい空気、すごく好きだなぁ
現実と異次元が隣り合わせになっていて、ふとした拍子にフッと繋がるような感じ。
先日読んだ、梨木香歩さんの「家守綺譚」の雰囲気に近い気がしますねぇ。
普通の小説とどこか違う、なんだか純文学的な要素があるなぁなんて思っていたら、、、
その違和感の原因に気付きました。本来会話で使われる「 」が一つも出てこないんですね!
だからなのかな、現実なのか非現実なのか…その狭間をふわふわと漂っているような感覚。
昔から不思議なモノを見るのんびりとした弟と、そんな彼をいつも温かい目で見る姉。
姉弟の距離感が、とても理想…というか、読んでいて心地良いんですよねぇ
弟が、紅い箪笥のそばで眠ると、見知らぬ人物が枕元に立ったり…と、
一見ホラー風ではあるのですが(笑)不思議と温かい郷愁の念を感じさせます。
古い家特有の心をホッとさせるような匂いが漂ってくるような、、、とても素敵な作品です
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