恒川光太郎「草祭」読了しました☆
【草祭】恒川光太郎
団地の奥から用水路をたどると、そこは見たこともない野原だった。「美奥」の町のどこかでは、異界への扉がひっそりと開く―。消えたクラスメイトを探す雄也、衝撃的な過去から逃げる加奈江…異界に触れた人びとの記憶に、奇蹟の物語が刻まれる。
デビュー作「夜市」でファンになった恒川さんの最新作。
去年の秋頃からずっと積読になっていましたが、やっとこさ読みました〜
幻想的な美しい装画を手がけているのは影山徹さん。
この方の絵は色々な所で見かけますが、一目で分かります。 (「旅のラゴス」も影山さんですね!!)
恒川さんって、本当にイラストレーターさんに恵まれているなぁ…という気がしますねぇ。
「美奥(びおく)」という不思議な町を舞台にした連作短編集です
「けものはら」「屋根猩猩」「くさのゆめがたり」「天化の宿」「朝の朧町」5つの短編です。
それぞれに深い味わいがあるのですが、特に「くさのゆめがたり」は秀逸ですねぇ
禁断の秘薬にまつわるお話なのですが、人の生死を左右する"オロチバナ"の妖しい魅力。
「美奥」という世界観は、この一篇に集約されているといっても過言ではないかも。
恒川作品に惹かれるのは、現実と異世界が1つの場所に同居しているから。
全くの異世界という訳ではなくて、"不思議"がトロリと現実に混ざり合っているから。
架空の世界なのに、どこか郷愁の念を抱かせる描写が、たまらなく好きです。。。
朝もやに覆われた野原や、人影のない恐ろしいまでに静かな町。
ぽっかりと空に浮かんだ満月に、じっと寄り添い合っている獣達…。
幻想的な恒川ワールドをたっぷりと堪能できた一冊でした〜
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