「童話物語」向山貴彦
童話物語(上)(下)
著者:向山貴彦
評価:
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
世界は滅びるべきなのか?その恐るべき問いの答えを得るために、妖精フィツは地上へとやってきた。最初に出会ったひとりの人間を九日間観察して判断することがフィツの使命。しかし、フィツがたまたま出会ったのは極めて性格の悪い少女ペチカだった…。
お友達のかをる。さんに教えていただきました
かをる。さん、素敵な本を紹介してくれてありがとうございます!!
大変恥ずかしながら、、、この作品を読んで号泣してしまいました
数多く存在するファンタジー小説の中でも、かなりレベルの高い作品だと思います。
まず他の作品と違う点。 主人公ペチカの性格がヒジョーに悪い(笑)
ペチカの口の悪さにはビックリしてしまいましたよ…!!
ファンタジー小説の主人公が、ここまでひねくれているのも珍しいのでは?? 残酷ではないけれど、容赦がない。
ペチカは毎日の食事さえもろくに取れないほど貧しく、ボロきれ同然の衣服をまとっている。
そんなペチカに対する村の人達の仕打ちといったら、思わず目を覆いたくなるほど…。
教会の子ども達のいじめがあまりに酷く、このことがペチカの心の傷になる。 この作品独自の世界観が素晴らしい!!
この作品独自の通貨単位や時間の概念があります。
巻頭にはカラーで地図付き。地域によって主食や特産物も記載されていて、これまた面白い。
この物語の鍵 となるのは、後にペチカの良きパートナーになる妖精フィツ。
永遠に時が止まった妖精の国の住人フィツは、地球の豊かな自然や愚かな人間達に興味津々。
オムレツの味にいちいち感動したりする、妙に人間くさいところが可愛いの(笑)
上巻を読んでいるうちは、とにかくペチカの性格の悪さに辟易してしまいましたが、
下巻に入ると物語が急展開を見せ、俄然面白くなります
天まで届く高さの塔 (ただし、内部は複雑怪奇な迷路になっている…)や、
世界の果てにある、膨大な年月と記憶の宝庫"忘れ物預かり所"。
ペチカは様々な人と出会いながら旅を続けていくうちに、徐々に自分の居場所を見つけます。
昔ペチカをいじめていた少年ルージャンの、一途な想いには思わず胸が熱くなりました。
過去の罪を償い、ペチカを守り通そうと決めた、少年から大人への成長。
これはその辺の恋愛小説よりも、よっぽどドキドキするわ…(笑)
とにかく感涙間違いナシの、とっても素敵な作品ですよ~~
ところどころに挿入された宮山香里さんの挿絵も、さらにこの物語の魅力を引き立てています。
皆さんも、是非是非ご一読くださいな。もしかしたら、一生の宝物になるかも。。。
≪検索用INDEX≫ (クリックすると別ウィンドウで開きます♪)
作家名から調べたい時は… ◆ 作家別 INDEX ◆
作品名から調べたい時は… ◆ 作品別 INDEX ◆

にほんブログ村
- 関連記事
-
- 「夏への扉」ロバート・A・ハインライン
- 「童話物語」向山貴彦
- 「すきまのおともだちたち」江國香織