「魔性の子」小野不由美
魔性の子
著者:小野不由美
評価:
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
教育実習のため母校に戻った広瀬は、教室で孤立している不思議な生徒・高里を知る。彼をいじめた者は“報復”ともいえる不慮の事故に遭うので、“高里は崇る”と恐れられているのだ。広瀬は彼をかばおうとするが、次々に凄惨な事件が起こり始めた。幼少の頃に高里が体験した“神隠し”が原因らしいのだが…。彼の周りに現れる白い手は?彼の本当の居場所は何拠なのだろうか?
ブログ仲間の茨木月季さんから、とっても嬉しい情報を頂きました!
なんと今月発売のyom yomに「十二国記」シリーズの新作が掲載されるとのこと
この「魔性の子」は「十二国記」シリーズの外伝でもあるんだけど、刊行されたのは本編よりも先。
きっとこの時点でもう小野さんは、本編の構想をしっかり練っていたのでしょうね。。。
神隠し。
昭和30年代ぐらいまでは、日本でも至る所で見られた現象のようです。
私達が知らないだけで、過去の失踪者の中には本当に「神隠し」に遭った人がいたのかも…。
幼少時代「神隠し」に遭った青年・高里の周りで、次々に怪奇現象が起こり始める、というお話。
だんだんとエスカレートしていく高里への非難、罵倒、攻撃、好奇の目…。
それに比例するかのように一人、二人…そしてやがては何十人と高里の周りで死者が増えていく
殺人現場の描写は、本当に凄惨極まりないのですが、
それでもこの作品、「十二国記」につながるファンタジーを見事にミックスさせています
「十二国記」シリーズと「魔性の子」、どちらを先に読むか迷うところですねぇ。
きっと、本編を読んでいない場合おどろおどろしいホラー小説と受け取れるんでしょうけど。
「風の海 迷宮の岸」や「黄昏の岸 暁の天」を先に読んでいると、
「魔性の子」はとてもホラーとは思えず、ただただ主人公・高里の姿が痛ましく思えてしまします
一つ気になったのは高里を同胞だと信じ、庇い続けた教育実習生・広瀬のその後。
広瀬の「故国喪失感」は、個人的にものすごく共感できるものがありました。
ここは自分の居場所じゃない、異分子だと感じてしまう気持ち。
ラストで感じる広瀬の悲壮、絶望感は手にとるように分かってしまいます。。。
小野さん、「魔性の子」のさらに外伝も書いてくれないかなぁ(笑)
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