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「エンド・ゲーム 常野物語」恩田陸


エンド・ゲーム 常野物語
著者:恩田陸
評価:ほし



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「裏返さ」なければ「裏返される」―正体不明の存在「あれ」と長年にわたり闘い続けてきた拝島親子。母が倒れ、最強の力を持つ娘・時子が残った。時子の前に現れた男「洗濯屋」は敵か味方か。驚くべき真相が明らかになる、シリーズ第3作。



あ、あれ…?? Amazonのレビュー見てみたら、あんまり評判良くないのね~かお
個人的には結構楽しめたんですけれども。。。

「光の帝国 常野物語」に収められている「オセロ・ゲーム」の続編。

全体的に見るとほんわかした雰囲気の漂う「光の帝国」。
その中で唯一「オセロ・ゲーム」は、”陰”に属する作品でとりわけ好きな作品でした。
今回の「エンド・ゲーム」は前作よりもさらにダークでおどろおどろしい作品に仕上がっています。


常野一族は様々な能力を持つ人々なのですが、中でも拝島親子はかなり異質きもち

長年にわたり正体不明の"アレ"と闘い続けているのです。
"アレ"は普段民衆の間の紛れていて、拝島親子にはそれが苔や禍々しいツタに見えてしまう。

そして油断しているとあっという間に"アレ"に「裏返され」てしまうのです。

"裏返す"  "裏返される"  "洗濯屋"  "包む"

なんとも抽象的な言葉が度々登場します。
これらの言葉の説明はほとんどないのに、容易にイメージできてしまうのが恩田さんのスゴイ所きもち


ジャンルとしては決してホラーではないんだけれど、とにかく怖いですよ。。。
不気味な異空間に1人でポンと投げ出された感じで。

「オセロ・ゲーム」にも出てきたんだけど、手押し車でやってくる”アレ”の描写は本当に怖すぎです。

「”洗濯屋”火浦と時子のラストのエピソードはちょっと唐突すぎないかい?」とか、
「幻想世界に登場した輪を回していた少年は誰なの?」とか、謎は尽きないのですが…。

このおどろおどろしくて怪しい世界を堪能できたので、満足満足きもち

いきもの 「常野だより」というサイトがあります。
常野の世界について詳しく説明されているので、興味ある方は是非覗いてみて下さい!


<常野物語シリーズ>
光の帝国
蒲公英草紙


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16 Comments

Cedie

こんばんは☆

決して悪いわけではないのですが、わたしもちょっとビミョーな感想ですね(-_-;)

抽象的な言葉が多すぎて、自分の中でイメージがあいまいのせいだからかもしれません。(>_<)

ホラーではないですよね〜。しかしコワイ感じがする・・・恩田さんの作品ではコレが多いです(>_<)



picchuko

Re:「エンド・ゲーム 常野物語」読みました♪(02/20)

ますます恩田さんの正体が分からなくなってきました。

奥のある、色んな表情を持った作家さんなのですね。

ホント、抽象的な言葉が多くて、きっと私は読んでも理解できないと思います。

nanacoさんの読解力って素晴らしいですね。

すらすらっと読んで、さらさらっと感想を書けるところが凄いです。

これが、今までまともに読書したことのない私と、毎日本を読んでいるnanacoさんの差なのですね。

毎回、ただただ感心して、nanacoさんに感動します☆

☆ちこ

Re:「エンド・ゲーム 常野物語」読みました♪(02/20)

こんばんわ〜

先日久々に本屋さんに行ったら、こちらで紹介されている本を沢山見つけて、楽しかったです。

で、「しゃばけ」と「死神の精度」を買ってしまいました♪

それにしてもnanaco☆さんの読書量は凄いですね〜

ちゃと屋

Re:「エンド・ゲーム 常野物語」読みました♪(02/20)

常野の続き読んだんですね☆

「オセロ・ゲーム」自体が結構ぞくぞくする物語なのにその続きって…コワそう。。

時子のお母さんも「裏返され」ちゃうんだぁ。「裏返され」ちゃったらどうなるのか、気になるところです。

まっちん55現品限り

Re:「エンド・ゲーム 常野物語」読みました♪(02/20)

私も多くの人と同じでこれはちょっと苦手だったかも。

光の帝国の方が好きだったかなぁ。。。

また煮詰めたり補ったりして

違う作品になるかしらと期待しています。

茨木 月季

おはようございます〜♪

お体の具合は如何ですか?

とにかくストレスを溜めないように、ガンガン吐き出してくださいね。「エンドゲーム」自分もちょっと微妙でした。あの読んでいる時の不安感というか、恐怖感。自分が恩田さんにのめり込めない要因の一つです。nanako☆さんの積読本の中に入っている「ユージニア」、面白かったのですが、ちょっと似た要素があるかも? 題材が夏の事件ですので、これから読むのには良いかも…。

エンブレムT

Re:「エンド・ゲーム 常野物語」読みました♪(02/20)

恩田ワールド炸裂って感じでしょうか・・・。

言葉の説明がないってのは、読んだ人の想像によってかなり印象が違う本になりそうですねー。

nanaco☆

Cedieさんへ

あら…Cedieさんはこの作品ビミョーでした??(笑)

個人的には爽やかな青春物語よりもおどろおどろしいホラー系のお話が大好きなものでw

それも現実の世界ではなくて、実際には存在しない異世界、というのがすごく好きです。

確かに抽象的な表現が多いですよねぇ。

"洗濯屋"の「洗って、叩いて、白くする」というフレーズに妙に恐怖を感じてしまいました^^;

「ユージニア」はどうかしら??

なんだかもったいないので今回はちまちまと読んでいこうと思いますw

nanaco☆

picchukoさんへ

そ、そんな!!とんでもないです。

私はいつもpicchukoさんのブログを拝見するたびに、

「こんな心のこもった素敵な文章書けたらいいなぁ…」といつも思うのです(*^^*)

昔からファンタジー漬けなこともあって、けっこう抽象的なものは想像しやすいかもしれないです。

でも逆に日本等の歴史ものは全く頭に入らなくてボーッとしてきたり(笑)

やっぱり好みのジャンルって人それぞれですよね☆



恩田さんの作品は本当にジャンルを絞れないです。

今回みたいな怖い作品や、ファンタジー、SF、青春モノ…。

読む度に作品の表情が違うので、心から尊敬しているんですよ〜(=^^=)

picchukoさんもいつか機会があったら恩田さんの作品、是非読んでみてくださいね!

「シャガール」の次にハマる作品になるかもしれませんヨ♪

nanaco☆

☆ちこさんへ

「しゃばけ」と「死神の精度」購入されたんですね〜♪

ちこさんも、とうとうしゃばけデビューですねぇ(≧∇≦)ノ

きっと、ハマるはずですよ!

個人的にはこのシリーズは巻を重ねていく毎にどんどん面白くなっていくような気がしています☆

私もこの間書店で「死神…」購入してきました。

伊坂さんの作品は「オーデュボンの祈り」しか読んだことがなかったのですが、

他の方のブログでも「死神…」は評判が良かったようなので☆



しばらく体調を崩していて会社を休んでいたおかげで、たっぷり読書の時間を取れました♪

一日中、本を読んですごせたらなぁ…(笑)

nanaco☆

ちゃと屋さんへ

「光の帝国」の中でも私が一番好きだったのは「オセロ・ゲーム」だったんです♪

ほのぼの系のお話も良いのですが、どうしてもホラー色のある作品が魅力的に見えてしまいます^^;

私……病んでいるのかしら(笑)

今回の「エンド・ゲーム」は長編なので、ゾクゾクする世界がたっぷり楽しめました(*^_^*)

「光の帝国」の後の話になるので、時子ももう大人です☆

物語が次々と二転三転するのが"裏返す" "裏返される"というのを暗示しているように感じました…。

"裏返され"たらどうなるか??

思ってもみなかった世界でしたよ〜(笑)

nanaco☆

まっちん55現品限りさんへ

まっちんさんはこの作品、苦手でしたか〜(>_< )

前作「光の帝国」とは随分と趣が違いましたよね。

「光の帝国」はその名の通り光、「エンド・ゲーム」は陰、という感じですよね☆

「夜のピクニック」のような明るくて爽やかな青春ストーリーも大好きなんですが、

この作品や「月の裏側」のように恩田さんの書く"異質"な存在にも妙に惹かれてしまいます^^;



常野シリーズ2作目「蒲公英草紙」は未読なのですが…

こちらはもうちょっとほのぼの系なんでしょうか??

時間を置いて読んでみようと思います♪

nanaco☆

茨木 月季さんへ

ご心配いただき本当にありがとうございます(≧∇≦)ノ

病院の薬を飲み続けて4日間。大分回復の兆しが見えてきました☆

今日は久しぶりに出勤したのですが…

これでは身体よりも精神のほうが病んでしまいそうです(笑)

いっぱい本を読んで、ブログできれいさっぱり発散させていきますね♪



月季さんは「エンド・ゲーム」ダメでしたか〜^^;

確かに読んでいる間中、得体の知れない恐怖感がまとわりついてきますよね。

個人的にはファンタジーの次にホラー系の作品が好きなので、

恩田さんにはガンガンこういうお話書いてほしいなぁ…と思うのですが(笑)

「ユージニア」すぐにでも読もうと思っていましたが、ジャンルが似ているのに気付き…

「彩雲国物語」読むことにしました(しかもまだ一巻目…)

出先では宮部さんの「あかんべえ」を読んでいます♪

nanaco☆

エンブレムTさんへ

個人的にはこの不気味な恩田ワールド大好きです♪

やっぱり色んな方の意見聞いても評判は良くないようでした…^^;

恩田さんの作品って、謎が残るラストが多いですよねぇ。

なんていうか、どうとでもとれるラストというか…。

でもそんなとこも恩田さんの魅力の一つかなぁ、という気もします(*^o^*)

エンブレムTさんは確か「蒲公英草紙」読まれていたんですよね??

こちらはほんわかほのぼの系という噂を聞いたのでw

ホラーの後にでも読んでみようとおもいま〜す♪

anna2号

Re:「エンド・ゲーム 常野物語」読みました♪(02/20)

これも読みたい×2と思ってて、まだ読めてない作品の一つです(~_~;)

常野はようやく蒲公英を読んだだけだからなぁ…。

オセロ・ゲームは迫りくるじわじわっとした恐怖感がありますね。

「月の裏側」は恩田作品では苦手な感じなんですが、

でも拝島母娘がかっこいいので、エンド・ゲームは読みたいな。

nanaco☆

anna2号さんへ

annaさんは蒲公英は読まれたんですね♪

実は…私は蒲公英とばしてこちらを先に読んでしまいました^^;

どうもホラー好きなのよね…。

ほのぼのとしたお話も良いけれど、ゾクッとくるようなお話のほうが好きです。

だから「月の裏側」や「朝日のようにさわやかに」は、恩田作品の中でも結構お気に入りだったりします。

「オセロ・ゲーム」が好きでしたら「エンド・ゲーム」も楽しめるかもしれませんヨ(*^_^*)

拝島母娘もカッコイイですが、この作品に登場する"火浦"という青年がまた良いキャラです♪