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『スティル・ライフ』池澤夏樹

ななこ



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
ある日、ぼくの前に佐々井が現われてから、ぼくの世界を見る視線は変って行った。ぼくは彼が語る宇宙や微粒子の話に熱中する。佐々井が消えるように去ったあとも、ぼくは彼を、遥か彼方に光る微小な天体のように感じるのだー科学と文学の新しい親和。清澄で緊張にみちた抒情性。しなやかな感性と端正な成熟が生みだした、世界に誇りうる美しい青春小説の誕生。


芥川賞&中央公論新人賞ダブル受賞作!



こちらもかなり前に読んだのですが、またもやレビューを忘れていたので。笑

池澤夏樹さんといえば、昔読んだ『南の島のティオ』が私の中で永久保存版入りしています。
そのインパクトが非常に強かったからか、池澤さんというと「夏」とか「南国」のイメージがあったんです。
10年ほど沖縄に住んでいたというので、それが作風に出ているのかもしれませんが…

でもこの『スティル・ライフ』は、そんな熱量はなりを潜め、
まるで清流のように清らかで、それでいてどこかセンチメンタルな世界観が魅力。
言葉ではうまく表現できないのですが、一文一文がこんなにも心に突き刺さる作品はなかなかありません。

正直、私は個人的に芥川賞受賞作とはあまり相性が良くないのですが( ̄w ̄)
それでもこの作品は、言葉選びの美しさや独特の感性が本当に素晴らしいと思った!
10代、20代、30代…と、読む年代によって受け取り方が変わりそうな作品ですね。

忙しない日々の中、ふと立ち止まらせてくれる。



本作には表題作『スティル・ライフ』と『ヤー・チャイカ』の2編が収められています。

表題作はとにかく言葉選びが秀逸。
「雪が降るのではない。雪片に満たされた宇宙を、ぼくを乗せたこの世界の方が上へ上へと昇っているのだ」(P32)
なんて美しい日本語なんだろうと、いつまでも心の中で転がしていたくなりました。

人間の視点。星の視点。宇宙の視点。
自分の悩みなどほんの些事に思えてしまうぐらい、俯瞰した視点が心地良いのですよね〜
日々生き急ぐように何かに追われる毎日に、ストップをかけてくれるような気がします。

『ヤー・チャイカ』もまた、恐竜とかが出てきて最初は「ん?」となるけど(笑)
でも「なぜ?」じゃないんですよね、こういう世界なんですもの。これが自然としっくりくる。
非日常の中の日常を楽しめたら、ぐっとのめりこめるはずです。

この本の魅力を半分も伝えられていませんが、とにかく心をまっさらにして読んで欲しい!
読了後は、穏やかな気持ちになれること請け合いです。

個人的評価:★★★★★
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Posted byななこ

Comments 2

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わか  
お久しぶりです(*^▽^*)

ななこさん、お久しぶりです^^遅くなりましたが、ご結婚、おめでとうございます!!末永くお幸せに!!
池澤夏樹さんの小説、読んでみたいんですよね。少し前に『世界文学をよみほどく スタンダールからピンチョンまで』という池澤さんの本を読んで、素晴らしいと思いました。美しい日本語を堪能したいです。
お仕事大変だろうけど、無理しない程度に頑張ってください♪

2019/02/14 (Thu) 19:39 | EDIT | REPLY |   
ななこ
ななこ  
To わかさん

あらっわかさんではないですか!!大変ご無沙汰しております〜^^
ブログ復活されたんですね、また是非是非仲良くさせてください(///∇//)

私も長らくお休みしている間に結婚しましたw
一時期よりは落ち着いてきたので、またゆっくり本を読む時間を作りたいなと思います!

>少し前に『世界文学をよみほどく スタンダールからピンチョンまで』という池澤さんの本を読んで、素晴らしいと思いました。

こちらも面白そうですね!!
池澤さんって色々な古典から海外文学まで色々な方面に明るくて、本当に感心してしまいます。
池澤作品は「マシアス・ギリの失脚」とかも気になっていて、少しずつ制覇していきたいなと思っています。

今回の「スティル・ライフ」は日本語が美しくて、
感想を書けば書くほどに何だか無粋になってしまう気がして、
読後の余韻をそのまま、そっと心にしまっておきたい、そんな素敵な本でした。
わかさんも機会がありましたら、ぜひ挑戦してみてくださいね〜(´∀`*)

2019/02/17 (Sun) 15:56 | EDIT | REPLY |   

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