FC2ブログ
Welcome to my blog

『人間失格』太宰治

ななこ



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
徹底した自己破壊、人間に対する絶望…。内面の真実を探究し現代人の孤独を浮き彫りにする、最後の自伝的作品。


太宰治とはどんな人間だった?



昔、青空文庫で読んだことがありますが、
新潮文庫で新しい装丁が発売されたこともあって、再び手に取ってみることに。

太宰治と言ったら、一般的にどんなイメージを思い浮かべるでしょうか??

① 自殺未遂を繰り返した人
② 女癖が悪い人
③ 国語の教科書に載っていた「走れメロス」の人


な、なんと…ひどく不名誉な評判ではないですか!(笑)

芥川賞受賞作家のお笑い芸人・又吉さんは、大の太宰好きで知られていて、
太宰治の何がそんなに又吉さんを惹きつけるんだろう…と不思議に思っていました。

今回じっくり読んでみて、昔抱いた嫌悪感のようなものがなくなり、
ただひたすら主人公が本当に不器用で不憫な青年、という印象だけが残りました。


「恥の多い生涯を送って来ました」



あまりにも有名なこの一文。

主人公・葉蔵は、おそらく幼い頃から老成した部分があったのかなと思います。
「子供らしさ」からは程遠くて、一歩二歩先のことまで考えて行動するようなタイプ。
自分が周りより賢いことも知った上で、わざとふざけたり頭の悪い自分を演じたりします。

学校でもムードメーカー的な立ち位置となった葉蔵は、たちまち人気者に。
でもそれが本来の自分ではないことは、本人が一番よく知っているんですよね。

常に周りの目を気にして、ビクビクして、うまく自分を出すことができない。
でも「道化」の自分を演じる ことによって、それを隠しているんです。

で、それがある出来事をきっかけに見破られてしまう。
そこから葉蔵の人間不信、自信喪失、転落人生が始まったようなものですね。
「それだけ?」と思うかもしれないけど、もうすでに限界ギリギリのところまで来ていたのね。

はーなんという不器用な子……!(´・ω・`)


イヤな事を、イヤと言えず、また、好きな事も、おずおずと盗むように、極めてにがく味い、そうして言い知れぬ恐怖感にもだえるのでした。つまり、自分には、二者選一の力さえ無かったのです。(-P17)


引きずり込まれてしまうような暗さ(一部ネタバレ)



電車に乗れば車掌が怖い、レストランに入れば後ろに控えるウェイターが怖い、
もはや対人恐怖症の域の主人公だけど、これがなぜだか女にモテるんですよ(笑)

同じような境遇の女だったり、未亡人だったり、純粋無垢な女だったり。
もともと「おそろしく美貌」と記載があるぐらいだから、自然と女が寄って来てしまう。
さらにどこかミステリアスなオーラが、きっと周りを放っておけなくさせるんでしょうかね。

度重なる自殺未遂、酒に溺れ、女に溺れ……と、
もう転落の一途を辿るのですが、そこで自ら「人間、失格」と自覚をするんですね。

どこかのサイトで、こんなに女にモテるなら人間失格なんかじゃない!贅沢だ!
と熱く語っていた方がいて、ちょっと笑ってしまいました(笑)

主人公と、作者の太宰治さんの生涯がピタリと重なりますが、
それが『人間失格』が、太宰治の自伝もしくは遺書と呼ばれる所以かもしれませんね。

読むタイミングによっては、鬱になりそうなぐらい暗い小説ではありますが、
やはりすごく面白い(と言ったら語弊があるかな)ですし、読んでおくべき小説だと思います!!


個人的評価:★★★★★
関連記事

Comments 4

There are no comments yet.
ななこ
Cedie  

ななこさん、こんにちは。

人間失格は「文豪ストレイドッグス」×角川文庫コラボアニメカバーのとき買おうかすごく悩みました笑。人間失格以外にも。
ジャケ買いする人なんですよね(-_-;)

なんとなく暗い感じがして手が出せなかったのですが、やはり魅力ある人で作品なのですね。

2018/11/25 (Sun) 20:39 | EDIT | REPLY |   
ななこ
ななこ  

Cedieさん、こんばんは!

>「文豪ストレイドッグス」×角川文庫コラボアニメカバー

あ〜分かります、分かります!
すごい魅力的なカバーでしたね、全種類集めたくなっちゃいますよね。笑
私は、デスノートの小畑健さんがカバーイラストを描かれていた時に迷いました(* ̄▽ ̄*)
好きな絵師さんが描いていると、それだけで欲しくなってしまいます…

『人間失格』暗いですが、思った以上に読みやすいですよ!
多分読むタイミングを間違えてしまうと、相当引きずられると思いますが…
でもやっぱり文体一つにしても、その表現方法に驚きますし面白いです。
薄い本でさくっと読めてしまうので、もし未読でしたら是非読んで見てください(・∀・)!

2018/11/25 (Sun) 20:40 | EDIT | REPLY |   
ななこ
daiyuuki  

思春期に一度は通る作品、ですね。古屋兎丸さんの漫画版は、キャラクターの葛藤や歪んだ心理を的確に描いた衝撃作です。

2018/11/25 (Sun) 20:40 | EDIT | REPLY |   
ななこ
ななこ  

daiyuukiさん、おはようございます!

この作品、読む時期によっては引きずりこまれてしまう暗さですよね〜^^;
前にカフカを読んだ時に、同じような印象を受けたのですが、
カフカがあまりにも暗すぎて逆に滑稽で面白く思えるのに対して、
太宰治は一緒に沈んで行ってしまうような感じです。

>古屋兎丸さんの漫画版は、キャラクターの葛藤や歪んだ心理を的確に描いた衝撃作です。

古屋さんの漫画版、過去に読んだことがあります!
現代版に置き換えた話でしたよね、絵も圧倒的に上手いのでぴったりでしたね。
もう手放してしまったのですが、もう一回読んでみたいな〜(・∀・)!

2018/11/25 (Sun) 20:40 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply