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『八月は冷たい城』恩田陸

ななこ



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
夏流城での林間学校に初めて参加する光彦。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。ともに城を訪れたのは、二年ぶりに再会した幼馴染の卓也、大柄でおっとりと話す耕介、唯一、かつて城を訪れたことがある勝ち気な幸正だ。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数―不穏な空気が漂うなか、三回鐘が鳴るのを聞きお地蔵様のもとへ向かった光彦は、茂みの奥に嫌を持って立つ誰かの影を目撃する。閉ざされた城で、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き…?彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。短くせつない「夏」が終わる。


冒頭から不穏な恩田ワールド


積読本消化計画 3冊目。

先日読んだ『七月に流れる花』と同時発売された作品ですね。
どちらも独立したお話ではあるけれど、七月⇒八月の順番で読んだ方が良いと思います。
逆に読むとネタバレしている箇所があるので、七月の謎めいた雰囲気が半減しちゃうかも。

七月は少女達が古城らしき場所に招待され、共同生活を送るという内容でしたが、
八月はその男の子バージョン。ホラーな雰囲気 はこっちの方が強いです。


疑心暗鬼にかられる少年達


少女達同様に夏流城での林間学校に招待された光彦、卓也、耕介、幸正の4人。

初っ端から首をへし折られた4つの向日葵の花に迎えられたり、
明らかに少年達の誰かの命を狙ったと思われる事件が起きたりと、かなりヘビーです。
さらに、主人公・光彦は茂みの奥に「鎌」を持った何者かの姿を発見したり。

でもこの城にいるのは自分達と、壁を隔てているはずの少女達だけ。
彼らの間には、徐々に 疑心暗鬼の波 が押し寄せてきます。

同じ場所が舞台なのに、「七月」とここまで雰囲気がガラリと変わるのはすごいなぁ。


児童書らしからぬ展開


さて、この作品は児童向けのミステリーランドから配本されましたが、
正直この結末、というか”みどりおとこ”の正体は…大人の私でもギョッとするほどです。
これを子供たちが読んだら、かなり後々まで記憶に残るんじゃないかしら(´Д`|||)

(ネタバレ防止のため反転しますが)まさか喫人とはね!!
これ以外に何か考えつかなかったんだろうか、と思わないでもないですが、
まぁ昔少年少女だった大人には、ショックを受けるほどでもないです(笑)

これを完璧大人向けホラーとして、恩田さんに長編で書いてもらいたい気もします。


今回の2冊は、酒井駒子さんの表紙絵・挿絵がとても素敵でしたが、
恩田さんの描く少年少女は、もう少し大人びた印象かなぁとちぐはぐな印象も受けたかな。

恩田さんが、「自分の好きなものを書きました!」オーラ全開の、不思議な物語でした。
好みが極端に分かれそうですが、私はこういうの好きです。

個人的評価:★★★★
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Comments 4

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ななこ
苗坊  

こんにちは^^
いやー七月も面白かったですが八月も良かったですね。
ただ七月から読まないと完全なネタバレになってしまうので気を付けなければならないという注意事項がありますが。
みどりおとこの正体はびっくりでしたねぇ。おそらくそれが真相だったんだろうなと思います。
この過程で怖くてドキドキするけど読む手が止まらないという感じがまた恩田さんの作品!っていう感じでたまらなかったですよね~^^
今年は恩田さんの作品が次々出るので本当に嬉しいです。

そういえば「朝日のようにさわやかに」の淋しいお城を読みました。内容はずいぶん違いましたが「みどりおとこ」の存在は出来上がっている感じでした。こんな前から考えていらしたんですね~…。こうして後から読むのもまた面白いです。

2018/11/25 (Sun) 20:47 | EDIT | REPLY |   
ななこ
ななこ  

苗坊さん、こんばんは!

七月も八月も、どちらも恩田さんらしいお話で面白かったですよね〜
直木賞獲った『蜜蜂と遠雷』とかももちろん最高に面白かったですけど、
恩田さんといえば、こういう謎めいた閉鎖的なミステリの方がしっくり来ます(* ̄▽ ̄*)

>みどりおとこの正体はびっくりでしたねぇ。おそらくそれが真相だったんだろうなと思います。

みどりおとこの正体は色々と想像してはいましたが、
まさかそうくるのか!と全く予想のしていなかった展開で。
他の人の感想を読んでいても、この部分は賛否両論あるようでしたね^^;
子供の頃に読んでいればトラウマ級かもしれませんが、今は全然平気です(笑)

>そういえば「朝日のようにさわやかに」の淋しいお城を読みました。

後からまた読んでみるのも面白いですね!
当時は童話風のような印象を受けたのを覚えています。
そういえば「朝日〜」の中に「卒業」という短編がありませんでした??
かなりのスプラッターホラーだったと思いますが、あれ大好きでした(笑)

今年は恩田さんの本がたくさん読めますね!
新刊が次々と出るので、当分は恩田ワールドにどっぷりと浸れそうです(・∀・)

2018/11/25 (Sun) 20:48 | EDIT | REPLY |   
ななこ
Cedie  

ななこさん、こんにちは。

恩田さんらしいお話で面白そうですね。
恩田さんに児童文学ってイメージないのですが、これを機に児童の恩田ファンが増えるといいですね。
「蜜蜂と遠雷」は図書館で大人気のようで予約数615となっていました。
七月と八月を先に読みたいと思います。

2018/11/25 (Sun) 20:48 | EDIT | REPLY |   
ななこ
ななこ  

Cedieさん、こんにちは!

>恩田さんに児童文学ってイメージないのですが、これを機に児童の恩田ファンが増えるといいですね。

確かに、恩田さんと児童文学って結びつかないですよねぇ(笑)
七月も八月も、児童向けのミステリーランドから出てはいますけど、
ちょっとこれは子供が読んで良いんだろうか?と思う箇所もいくつかあり…
でも自分の子供時代を考えると、結構ブラックな本も読んでいたかもなぁと^^;
本当、これを機に恩田ファンの子供・若者たちが増えると良いなぁと思います!

>「蜜蜂と遠雷」は図書館で大人気のようで予約数615となっていました。

ひゃー615人!さすがに直木賞はすごいですねぇ(・∀・)
きっと、予約を待っている間に、過去の恩田作品を読んでみようなんていう人も
増えてくるんでしょうかね、、、今年は恩田YEARになりそうだ!

Cedieさんの七月、八月の感想楽しみに待っていますね♪

2018/11/25 (Sun) 20:48 | EDIT | REPLY |   

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