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『冥途』内田百けん/金井田 英津子

ななこ



冥途

内田 百けん,金井田 英津子 長崎出版 2013-05
売り上げランキング : 211736
by ヨメレバ


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
からだが牛で顔丈人間の浅間しい化物〈件〉。生まれて三日にして死に、その間に人間の言葉で、未来の凶福を予言する。その〈件〉に生まれ変った私の根源的な孤独と不安を描く「件」ほか、鮮明、不可解な夢幻的世界を稀有の文章で描いて、漱石の『夢十夜』に勝るとも劣らない不朽の短篇小説集。


人面・・・牛?

なんとも不思議な表紙の本ですな( ゚ε゚;)
夏の終わりの夜、ちょっとひんやりとした風を感じながら読むのにぴったりの絵本です。

何が好きって、文章はもちろん素晴らしいんですけど、
金井田 英津子さんの版画が、もうおどろおどろしくて大好き!!

前に、夏目漱石の『夢十夜』を読んだ時に、金井田さんの版画に出会いました。
なんていうか、どこか悪夢のような光景なのに美しさを感じさせるんですよー
それ以来、すっかりその独特な世界の虜になってしまって(笑)

2016-09-03-11-45-21.jpg
『冥途』-P7「花火」より

百けん先生×金井田さんのコラボレーション



名作と呼ばれる作品に挿絵を付けるのって、賛否両論ありますよねー

メリットは、容易に中身を想像しやすくなること。
デメリットは、イメージが固定されてしまうことでしょうか。

でもね、金井田さんの版画は不思議とイメージが固定されないんですよ。
人間の中にある心の闇を、ちょいちょいと突っついて浮かび上がらせるだけ。
どこか掴みどころがないから、読み手それぞれの記憶や想像と結びつくんですよね。

現代のように、隅々まで明るく照らされていなかった時代。
何かが蠢く暗闇と、不穏な空気。

ひどく不安になるような妖しい世界観と、独特な挿画がマッチしているんです!


『件』の何とも言えない不条理さ



この本の中に、『件(くだん)』という短編があります。

主人公は、何故かからだが「牛」で、顔は「人間」。(表紙のやつです)
どうやら周りの人間たちから、この人面牛は何か"予言"をするらしいと期待されています。

でも当の主人公は予言って何?そんなの知らんよ(;・∀・)状態(笑)

主人公が黙っているもんだから、周囲はますます期待が高まっていきます。
これはきっとたいそうな予言をするに違いない!と。
主人公の不安とは裏腹に、人間達はどんどん熱を帯びて異様な雰囲気に・・・

この結末は、是非本を読んでご確認ください!

個人的評価:ほし

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Comments 4

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チルネコ  

お早うございますnanacoさん^ ^
たまたま今訪問したら記事が更新されたので驚きました!(笑)

冥途は別の本で読みましたが文字がズラ〜と並んでる平凡なやつです(笑)
この本の存在は知っていて緑の装丁からよく目に止まるのですが、初読のイメージとは違ったものも得られるかもしれませんね。
しかも五つ星ーー!(笑)

2016/09/04 (Sun) 10:58 | EDIT | REPLY |   
nanaco  
チルネコさんへ

チルネコさん、こんにちは!

おぅ、タイムリーでしたね(笑)
ずっとブログをサボり気味だったので、少しずつでも更新頻度を上げようと頑張っています(*´▽`*)
そろそろ涼しくなってきたので、不思議とやる気が湧いてきます…

>冥途は別の本で読みましたが文字がズラ〜と並んでる平凡なやつです(笑)

チルネコさん、既に読まれていましたか!
確かちくま文庫とかでも出ていましたよね~
(ちくまと岩波は、私の中でハードルが高い出版社の上位を占めていますw)
多分、金井田さんの挿絵があったからすんなり入り込めたのかなぁ(*^m^*)

>しかも五つ星ーー!(笑)

ハイ、迷わず五つ星でーす(笑)
あまり万人向けではなさそうですけど、好きな人はかなり好きな内容ですよね(=v=)
百けん先生の別作品も読んでみたくなりました♪

2016/09/04 (Sun) 18:12 | EDIT | REPLY |   
sakura  

nanacoさん、こんばんは。
画像に惹かれますねー。
版画は陰影の濃さが目に残る気がするので、
インパクトのあるものを見たら、焼き付いちゃいそうですね。
メリットデメリット納得です。
というかいっそ、絵本でもいいかなと思ったり。
モチモチの木とか、話覚えてないのに、思い出すだけで恐怖心がそろっと出ます。

2016/09/04 (Sun) 20:51 | EDIT | REPLY |   
nanaco  
sakuraさんへ

sakuraさん、こんばんは!

>画像に惹かれますねー。
>版画は陰影の濃さが目に残る気がするので、
>インパクトのあるものを見たら、焼き付いちゃいそうですね。

版画って独特な怖さがありますよねー
この金井田さんの絵柄も、妙に不気味でどれもすごく記憶に残るものばかりでした。
百けん先生の『冥途』のピッタリで、あの世ってこんな感じなんだろうかと思ったり(笑)

余談ですが、これと『夢十夜』の他に、萩原朔太郎の『猫町』という絵本があって、
これまた金井田さんが挿絵を担当しているんですよねぇ。
前に図書館で借りたんですが、これも手元に置いておきたいなぁと思う作品です^^

>モチモチの木とか、話覚えてないのに、思い出すだけで恐怖心がそろっと出ます。

モチモチの木!なんかすごい懐かしい響きです(笑)
たぶんすごい小さい頃に読んで、あまり話は思い出せないんですけど、
確かにひどく不気味なお話だったような気がしますねーちょっと読み返したいかも(* ̄m ̄)

2016/09/04 (Sun) 22:26 | EDIT | REPLY |   

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