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2016.09.04 *Sun*

『冥途』内田百けん/金井田 英津子



冥途

内田 百けん,金井田 英津子 長崎出版 2013-05
売り上げランキング : 211736
by ヨメレバ


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
からだが牛で顔丈人間の浅間しい化物〈件〉。生まれて三日にして死に、その間に人間の言葉で、未来の凶福を予言する。その〈件〉に生まれ変った私の根源的な孤独と不安を描く「件」ほか、鮮明、不可解な夢幻的世界を稀有の文章で描いて、漱石の『夢十夜』に勝るとも劣らない不朽の短篇小説集。


人面・・・牛?

なんとも不思議な表紙の本ですな( ゚ε゚;)
夏の終わりの夜、ちょっとひんやりとした風を感じながら読むのにぴったりの絵本です。

何が好きって、文章はもちろん素晴らしいんですけど、
金井田 英津子さんの版画が、もうおどろおどろしくて大好き!!

前に、夏目漱石の『夢十夜』を読んだ時に、金井田さんの版画に出会いました。
なんていうか、どこか悪夢のような光景なのに美しさを感じさせるんですよー
それ以来、すっかりその独特な世界の虜になってしまって(笑)

2016-09-03-11-45-21.jpg
『冥途』-P7「花火」より

百けん先生×金井田さんのコラボレーション



名作と呼ばれる作品に挿絵を付けるのって、賛否両論ありますよねー

メリットは、容易に中身を想像しやすくなること。
デメリットは、イメージが固定されてしまうことでしょうか。

でもね、金井田さんの版画は不思議とイメージが固定されないんですよ。
人間の中にある心の闇を、ちょいちょいと突っついて浮かび上がらせるだけ。
どこか掴みどころがないから、読み手それぞれの記憶や想像と結びつくんですよね。

現代のように、隅々まで明るく照らされていなかった時代。
何かが蠢く暗闇と、不穏な空気。

ひどく不安になるような妖しい世界観と、独特な挿画がマッチしているんです!


『件』の何とも言えない不条理さ



この本の中に、『件(くだん)』という短編があります。

主人公は、何故かからだが「牛」で、顔は「人間」。(表紙のやつです)
どうやら周りの人間たちから、この人面牛は何か"予言"をするらしいと期待されています。

でも当の主人公は予言って何?そんなの知らんよ(;・∀・)状態(笑)

主人公が黙っているもんだから、周囲はますます期待が高まっていきます。
これはきっとたいそうな予言をするに違いない!と。
主人公の不安とは裏腹に、人間達はどんどん熱を帯びて異様な雰囲気に・・・

この結末は、是非本を読んでご確認ください!

個人的評価:ほし

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tag : 内田百けん 

COMMENT

お早うございますnanacoさん^ ^
たまたま今訪問したら記事が更新されたので驚きました!(笑)

冥途は別の本で読みましたが文字がズラ〜と並んでる平凡なやつです(笑)
この本の存在は知っていて緑の装丁からよく目に止まるのですが、初読のイメージとは違ったものも得られるかもしれませんね。
しかも五つ星ーー!(笑)
by チルネコ #-
2016/09/04(日) 10:58 [Edit
チルネコさんへ
チルネコさん、こんにちは!

おぅ、タイムリーでしたね(笑)
ずっとブログをサボり気味だったので、少しずつでも更新頻度を上げようと頑張っています(*´▽`*)
そろそろ涼しくなってきたので、不思議とやる気が湧いてきます…

>冥途は別の本で読みましたが文字がズラ〜と並んでる平凡なやつです(笑)

チルネコさん、既に読まれていましたか!
確かちくま文庫とかでも出ていましたよね~
(ちくまと岩波は、私の中でハードルが高い出版社の上位を占めていますw)
多分、金井田さんの挿絵があったからすんなり入り込めたのかなぁ(*^m^*)

>しかも五つ星ーー!(笑)

ハイ、迷わず五つ星でーす(笑)
あまり万人向けではなさそうですけど、好きな人はかなり好きな内容ですよね(=v=)
百けん先生の別作品も読んでみたくなりました♪
by nanaco #-
2016/09/04(日) 18:12 [Edit
nanacoさん、こんばんは。
画像に惹かれますねー。
版画は陰影の濃さが目に残る気がするので、
インパクトのあるものを見たら、焼き付いちゃいそうですね。
メリットデメリット納得です。
というかいっそ、絵本でもいいかなと思ったり。
モチモチの木とか、話覚えてないのに、思い出すだけで恐怖心がそろっと出ます。
by sakura #-
2016/09/04(日) 20:51 [Edit
sakuraさんへ
sakuraさん、こんばんは!

>画像に惹かれますねー。
>版画は陰影の濃さが目に残る気がするので、
>インパクトのあるものを見たら、焼き付いちゃいそうですね。

版画って独特な怖さがありますよねー
この金井田さんの絵柄も、妙に不気味でどれもすごく記憶に残るものばかりでした。
百けん先生の『冥途』のピッタリで、あの世ってこんな感じなんだろうかと思ったり(笑)

余談ですが、これと『夢十夜』の他に、萩原朔太郎の『猫町』という絵本があって、
これまた金井田さんが挿絵を担当しているんですよねぇ。
前に図書館で借りたんですが、これも手元に置いておきたいなぁと思う作品です^^

>モチモチの木とか、話覚えてないのに、思い出すだけで恐怖心がそろっと出ます。

モチモチの木!なんかすごい懐かしい響きです(笑)
たぶんすごい小さい頃に読んで、あまり話は思い出せないんですけど、
確かにひどく不気味なお話だったような気がしますねーちょっと読み返したいかも(* ̄m ̄)
by nanaco #-
2016/09/04(日) 22:26 [Edit

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不老不死が実現した世界で、100年後には強制安楽死させられてしまう。

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スピード感あり、とても面白い作品です。
映像化希望!



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2位 絶望名人カフカの人生論
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フランツ・カフカといえば、
ある朝起きると、巨大な虫に変身していた『変身』などが有名ですが、 カフカ自身のネガティブさ加減には、思わず吹き出してしまうほどです・・・!(笑)

あまりにも自虐的でネガティブゆえ、自分の悩みなんかちっぽけに思えてしまう。
元気のない人にこそ、読んで欲しい一冊。



EPITAPH東京

3位 EPITAPH東京
(恩田陸)


エッセイ風の物語、自らを「吸血鬼」と名乗る男の追想、そして作中の戯曲。
・・・と、3つのパートに分かれて物語は進んでいきますが、正直相当のカオス状態(笑)

でも、シェイクスピアの「エピタフ」(墓碑銘)だったり、 なかば都市伝説的な平将門の首塚の話、動物交差点の話など、とにかく雑学が豊富。

何故か最後まで面白く読めてしまった一冊です。

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◆2014年マイベスト3◆

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

1位 ハーモニー
(伊藤計劃)


もうとにかく面白くて、想像以上に読み易かった事に驚きでした!

戦争、疫病、、、この世の全ての悪を取り除き、完璧に管理された世界は、
ある一人の少女によって綻び始めます。

劇場アニメ化もされ話題になった作品。



深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

2位 深紅の碑文
(上田早夕里)


第32回日本SF大賞を受賞した、
「華竜の宮」の続編です。

陸地の大部分が水没した未来。
地球規模の未曽有の大異変を前に、人類はどう対応するのか??

SFですが、決して遠い未来ではない世界の姿かもしれません。傑作です。



ウール 上 (角川文庫)

ウール 下 (角川文庫)

3位 WOOL
(ヒュー・ハウイー)


<サイロ三部作>の第一部目。

全ての生き物が死に絶え、荒廃した未来の世界。 生き残ったわずかな人間達は、地下144階建てのサイロで暮らしているという設定。

<清掃の刑>やらサイロの秘密やら、とにかく謎ばかりの展開で、夢中になって読みました。

★4位以下はこちら

◆2013年マイベスト3◆

金色機械

1位 金色機械
(恒川光太郎)


めちゃめちゃ好みのお話だったー!!

恒川さんといえば幻想的でちょっぴり怖い世界観が魅力なんだけど、
今回はSF・ファンタジーで味付けされた時代物。恒川さんの新境地です。

切なく悲しく、人間臭い恒川ワールドを是非堪能してみて下さい。



10月はたそがれの国 (創元SF文庫)

2位 10月はたそがれの国
(レイ・ブラッドベリ)


不気味・奇妙・不思議。
・・・と3拍子揃ったこの作品。

全体的にホラー色が強く、特に「群衆」「びっくり箱」は一度読んだら忘れられません。

読んでいるうちに、のめり込んでしまう事間違いなしの短編集です!



新選組 幕末の青嵐 (集英社文庫)

3位 新選組 幕末の青嵐
(木内昇)


これを読んだら、絶対新選組が好きになる!保証するよ(笑)

様々な隊士の視点から進んでいく物語。皆がカッコ良くて(沖田さんは可愛くて)素敵すぎる。
女性作家さんならではの繊細で、それでいて力強い描写が魅力的でした!

それにしても、土方さんの男前っぷりは異常(* ̄∇ ̄*)

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