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2016.01.31 *Sun*

『李歐』 高村薫


李歐 (講談社文庫)

高村 薫 講談社 1999-02-08
売り上げランキング : 72308
by ヨメレバ


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
惚れたって言えよ―。美貌の殺し屋は言った。その名は李歐。平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、その日、運命に出会った。ともに二十二歳。しかし、二人が見た大陸の夢は遠く厳しく、十五年の月日が二つの魂をひきさいた。『わが手に拳銃を』を下敷にしてあらたに書き下ろす美しく壮大な青春の物語。


積読本消化計画2冊目。残り78冊。

いやぁ~~ この本めっちゃ良かった!!!
実は高村さんって初読みの作家さんなんですが、何て綺麗な文章を書く方なんだろう。
硬質なのに、妙に色気があるんですね。ドキッとさせられる。

以前から、読書家さんたちの間では評判が良く、気になっていた作品だったんだけど、
どうもあらすじからはどんなお話なのか想像し難くて、食指が動かずにいましたきもち

読み終えた今は、もうただただ胸がいっぱいです。

長い年月、小さな他愛もない約束を胸に、激動の時代を生きた2人の男。
大学生の一彰が、美貌の中国人・李歐と出会い別れてからの年月はとてつもなく長い。

一彰と李歐が一緒にいた期間はほんの少しの間だけだったのに、
お互いが磁石のように引き寄せあうような、魂で繋がっているような関係に震えます。
それでいて常に大きな壁が立ちはだかっているような・・・何とも言えぬもどかしさかお

李歐の登場する場面は少ないにも関わらず、圧倒的な存在感があります。
女性も男性も虜にするような美貌に加え、明朗快活な性格と、時折見せる冷酷さ。
その何とも言えぬアンバランスさが、一彰を魅了したんでしょうね~かお

そして一彰。最初は何故李歐が一彰の事を気に入ったのかナゾだったのですが、
読んでいくうちに、うむ、これはなかなか魔性の男だぞ・・・と(笑)

一見頼りなさそうに見えるのに、相手には徹底的に尽くす。努力は惜しまない。
だけど根底にあるのは、まるで底なし沼のような虚無と諦観。
敦子、房子、咲子・・・と、様々な女性が一彰に入れ込むのも分かるような気がします。

町工場の経営だとか、裏社会の闇ルートや暴力団の世界がとてもリアル。
拳銃の組み立ての描写が細かくて、分からないなりにも想像するのが面白かったですこもの

一彰と李歐、どちらも深く心情を掘り下げている訳ではないのに、
一彰の歩む人生からは、まだ見ぬ大きな大きな大陸への渇望が透けて見えてくるし、
李歐が残した足跡からは、どこまでも広がる壮大な夢が広がります。

最終章が、本当に素晴らしかった!!!
広大な土地を、桜吹雪と共に爽やかな風が吹き抜けていくような、、、
とても清々しい余韻を残してくれました。永久保存版入り、決定ですほしきもち

個人的評価:ほしほし

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tag : 高村薫 

COMMENT

コンバンワ^^

余り気にかけてない作家さんでしたが、🌟五つの殿堂入りしちゃいましたか!爽やかな余韻が尾を引くような読後感を味わえそうですね。
by チルネコ #-
2016/01/31(日) 21:54 [Edit
チルネコさんへ
チルネコさん、こんばんは!

>爽やかな余韻が尾を引くような読後感を味わえそうですね。

そうなんですよ~
私もこの作家さんはノーマークだったんですが、
この『李歐』は読書家さん達のレビューで時々目にしていたので気になっていました。
そして、今更ながらどうやら作者さんが女性だという事に気付き…(笑)
こんなハードボイルド系を書かれるのはてっきり男性作家だと思っていました^^;

登場人物が皆幸せな人生を送っている訳じゃないし、
むしろ主人公達に関わる人物は、皆不幸になっている感はあるのですが(=v=)
それでも不思議と、ほんの少しの切なさと、解き放たれたような清々しさだけが残りました!

そうそうチルネコさん、「積読消化クラブ」大歓迎ですよ~(笑)
しかし私を会長にしてしまったら…!すぐ廃部になってしまいます~( ̄ー+ ̄)
by nanaco☆ #-
2016/01/31(日) 22:15 [Edit
今晩は
初高村作品だったんですね、髙村女史は難しい作品や男臭い作品が多いので
この作品をチョイスしたのはナイスですよ
といいつつ私は『マークスの山』でしたが「、こちらもお勧めです
この作品は李歐と一彰殿関係を長い時間をかけてじっくり描いていて
読み出すときになって止まりませんね
ラストは私もすばらしかったと思います。
by ねむりねこ #-
2016/01/31(日) 23:15 [Edit
ねむりねこさんへ
ねむりねこさん、こんばんは~♪

>初高村作品だったんですね、髙村女史は難しい作品や男臭い作品が多いので
>この作品をチョイスしたのはナイスですよ

おぉっそうなのですね!
実は私、髙村さんが女性だと全然知らず、、、
硬質な文体から、てっきり男性作家さんだと思っていました^^;
『李歐』はあちこちでレビューを目にしていたので、最初からすごい期待度です(笑)
それでも期待以上の面白さ…!もうグイグイ引き込まれてしまいましたw(゚o゚*)w

>この作品は李歐と一彰殿関係を長い時間をかけてじっくり描いていて
>読み出すときになって止まりませんね
>ラストは私もすばらしかったと思います。

李歐と一彰、正反対の性格のようですが、
お互いがお互いの無い部分を埋め合っていたのかなと思うような関係でした!
ここまで魂で繋がっていると性別なんて関係ないなぁと思えてきます*^^*
ラストも本当に素晴らしかったですね!!!
何かページを捲る手が、興奮に追いつかないぐらいでした(笑)
また時間を置いて何度も読み直したい作品になりました♪

>といいつつ私は『マークスの山』でしたが「、こちらもお勧めです

そうなんですね!『マークスの山』必ず読みます。
俄然この作者さんに興味が湧いてきました~^^
by nanaco☆ #-
2016/02/01(月) 22:41 [Edit
nanacoさん、こんばんは~^^
この記事読んで読みたくなって、ちょうど借りれたので読みました!
読み応えあってすごくいい作品でしたね・・・!!

私も初高村さんだったのですが、そうか女性の方だったんですね。男性だと信じて疑ってなかったです。
いやほんとカッコよすぎて、くらくらしちゃいます。もう、なんですかねこれは。文章も綺麗だし、こんな風に中国の言葉が出てくるというのも珍しくて、しかもその響きがまた美しかったりして・・・発想はあったとしてもこんな風に形にするってすごく難しいと思うのに、なんて素晴らしいんだろうって感動しとおしでした。

いい本紹介していただいて読めてほんとよかったです^^
こんなにハードボイルドなものだとは思ってませんでしたが、こういうのも久々なのでよかったです♪
ハードボイルドといえば、北方謙三さんのもいいですよね。
と、いろいろテンション高めですが、語り始めても終わらないのでここで一度切りますw
by yoco #-
2016/02/10(水) 22:05 [Edit
yocoさんへ
yocoさん、こんばんは~♪

>この記事読んで読みたくなって、ちょうど借りれたので読みました!
>読み応えあってすごくいい作品でしたね・・・!!

おぉ、そうでしたか!
この本で感動したお仲間が増えて、本当に嬉しいです~ヽ(*^^*)ノ
古い作品ですが、時々思いがけずこういう本に出会えるから読書ってやめられません♪

>文章も綺麗だし、こんな風に中国の言葉が出てくるというのも珍しくて、しかもその響きがまた美しかったりして・・・

あ~~すごい分かります!!!
中国語、普段聞いている分には何も感じないのに(笑)
文章にすると、何て綺麗なんだろうって思いました*^^*流れるような響きですよね。
その中国語を李歐の美しい声に乗せたら、多分男女問わず惚れてしまいそうですね><

一彰と李歐が一緒にいた期間は、ほんの少しだけだし、
李歐が出てくるシーンってよく考えるとあまりにも少ないのに、この存在感はすごい!
依存し合っているわけではないのに、無意識のうちにお互いを求める関係、すごく良かったです。
しばらくこの余韻から抜け出せそうにない。。。( ̄ー+ ̄)
『わが手に拳銃を』と読み比べてみるのも面白そうです♪

>ハードボイルドといえば、北方謙三さんのもいいですよね。
>と、いろいろテンション高めですが、語り始めても終わらないのでここで一度切りますw

北方ハードボイルド最高ですねっ!!!
『李歐』で無性にハードボイルドが読みたくなっているので、
しばらく北方作品が続きそうですヨ(笑)
by nanaco☆ #-
2016/02/10(水) 22:30 [Edit

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ストーリーはいまひとつでも、キャラが良ければ全て良し!雰囲気が良ければとりあえず許せる!みたいな所もあります(笑)

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ほし 面白い☆
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◆2015年マイベスト3◆

百年法 (上) (角川文庫)

百年法 (下) (角川文庫)

1位 百年法
(山田宗樹)


不老不死が実現した世界で、100年後には強制安楽死させられてしまう。

自分ならどうするだろうか、と思わず考えてしまう近未来SF作品。近い未来本当にこんな事が起こりそう。

スピード感あり、とても面白い作品です。
映像化希望!



絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

2位 絶望名人カフカの人生論
(カフカ/頭木弘樹・編訳)


フランツ・カフカといえば、
ある朝起きると、巨大な虫に変身していた『変身』などが有名ですが、 カフカ自身のネガティブさ加減には、思わず吹き出してしまうほどです・・・!(笑)

あまりにも自虐的でネガティブゆえ、自分の悩みなんかちっぽけに思えてしまう。
元気のない人にこそ、読んで欲しい一冊。



EPITAPH東京

3位 EPITAPH東京
(恩田陸)


エッセイ風の物語、自らを「吸血鬼」と名乗る男の追想、そして作中の戯曲。
・・・と、3つのパートに分かれて物語は進んでいきますが、正直相当のカオス状態(笑)

でも、シェイクスピアの「エピタフ」(墓碑銘)だったり、 なかば都市伝説的な平将門の首塚の話、動物交差点の話など、とにかく雑学が豊富。

何故か最後まで面白く読めてしまった一冊です。

★4位以下はこちら

◆2014年マイベスト3◆

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

1位 ハーモニー
(伊藤計劃)


もうとにかく面白くて、想像以上に読み易かった事に驚きでした!

戦争、疫病、、、この世の全ての悪を取り除き、完璧に管理された世界は、
ある一人の少女によって綻び始めます。

劇場アニメ化もされ話題になった作品。



深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

2位 深紅の碑文
(上田早夕里)


第32回日本SF大賞を受賞した、
「華竜の宮」の続編です。

陸地の大部分が水没した未来。
地球規模の未曽有の大異変を前に、人類はどう対応するのか??

SFですが、決して遠い未来ではない世界の姿かもしれません。傑作です。



ウール 上 (角川文庫)

ウール 下 (角川文庫)

3位 WOOL
(ヒュー・ハウイー)


<サイロ三部作>の第一部目。

全ての生き物が死に絶え、荒廃した未来の世界。 生き残ったわずかな人間達は、地下144階建てのサイロで暮らしているという設定。

<清掃の刑>やらサイロの秘密やら、とにかく謎ばかりの展開で、夢中になって読みました。

★4位以下はこちら

◆2013年マイベスト3◆

金色機械

1位 金色機械
(恒川光太郎)


めちゃめちゃ好みのお話だったー!!

恒川さんといえば幻想的でちょっぴり怖い世界観が魅力なんだけど、
今回はSF・ファンタジーで味付けされた時代物。恒川さんの新境地です。

切なく悲しく、人間臭い恒川ワールドを是非堪能してみて下さい。



10月はたそがれの国 (創元SF文庫)

2位 10月はたそがれの国
(レイ・ブラッドベリ)


不気味・奇妙・不思議。
・・・と3拍子揃ったこの作品。

全体的にホラー色が強く、特に「群衆」「びっくり箱」は一度読んだら忘れられません。

読んでいるうちに、のめり込んでしまう事間違いなしの短編集です!



新選組 幕末の青嵐 (集英社文庫)

3位 新選組 幕末の青嵐
(木内昇)


これを読んだら、絶対新選組が好きになる!保証するよ(笑)

様々な隊士の視点から進んでいく物語。皆がカッコ良くて(沖田さんは可愛くて)素敵すぎる。
女性作家さんならではの繊細で、それでいて力強い描写が魅力的でした!

それにしても、土方さんの男前っぷりは異常(* ̄∇ ̄*)

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