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「双頭のバビロン」皆川博子

ななこ


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
爛熟と頽廃の世紀末ウィーン。オーストリア貴族の血を引く双子は、ある秘密のため、引き離されて育てられた。ゲオルクは名家の跡取りとなって陸軍学校へ行くが、決闘騒ぎを起こし放逐されたあげく、新大陸へ渡る。一方、存在を抹消されたその半身ユリアンは、ボヘミアの「芸術家の家」で謎の少年ツヴェンゲルと共に高度な教育を受けて育つ。アメリカで映画制作に足を踏み入れ、成功に向け邁進するゲオルクの前にちらつく半身の影。廃城で静かに暮らすユリアンに庇護者から課される謎の“実験”。交錯しては離れていく二人の運命は、それぞれの戦場へと導かれてゆく―。動乱の1920年代、野心と欲望が狂奔する聖林と、鴉片と悪徳が蔓延する上海。二大魔都を舞台に繰り広げられる、壮麗な運命譚。


積読本消化計画35冊目。残り24冊。

皆川さんの作品を読むと、毎回「読む人を選びそうだなぁ」と思いますかお

嫌いな人は、徹底的に肌に合わないだろうし、
好きな人は、多分生涯のバイブルにするぐらい好きだろうなーと。
ちなみに私は後者。

見てはいけない世界を、こっそりと覗いているような…
読んでいると、何となく後ろめたい気持ちになるんですよねぇ(笑)
あまりにこの世界にのめりこみすぎて、読了後は現実に戻るのが難しくなります。

今回も「死の泉」「薔薇密室」同様に、
美しくも退廃的で、背徳感すら感じられる皆川ワールドきもち
ねっとりと絡みつくような濃厚な世界観に酔いしれました。。。

幼い頃に切り離された結合双生児、ゲオルクとユリアンの物語です。
ゲオルクは光の道を歩み、存在してはいけないもう一人ユリアンは影の道を。

激動のウィーン、映画勃興期のハリウッド、鴉片と悪徳がはびこる上海。
次々と舞台は入れ替わり、双子の青年達の運命もまた翻弄されていきますきもち

切り離された双子の精神感応やら、謎の実験やら、怪しげな素材が満載(笑)
糞尿と汚水にまみれた目を背けたくなるような描写も、
皆川さんにかかれば、毒々しいまでに美しく妖艶な色合いを帯びます。

ゲオルクとユリアンの関係よりも、
個人的にはユリアンとツヴェンゲルの関係が印象的だったなかお

二人の性を超えた繋がりが、あまりにも歪で悲しい。
そしてその関係の美しさ、崇高さといったら、筆舌に尽くし難いです。。。

あぁ、ツヴェンゲル!君の事が好きでたまらないよ!(笑)

特に終盤の廃城のシーンがめちゃめちゃ好きで、
自分の脳内で何度も妄想再生されてしまって……
「あれ、この本映画化されたっけ?」と勘違いしそうになるほど(爆)

とにもかくにも、自分の好みがギュッと詰まった素晴らしい作品でしたきもち


個人的評価:ほし

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Comments 4

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miwa125  
超面白くて、超素晴らしい作品でしたよね(*^^)v

nanaco☆りん、こんにちわぁ~(^^)/

『双頭のバビロン』読破おめでと~!(^^)!
そして、お疲れさま!肩こり、大丈夫~?(笑)

>ゲオルクとユリアンの関係よりも、
>個人的にはユリアンとツヴェンゲルの関係が印象的だったな
うん、うん、私も同感!!この二人の方が、
絆の強さにしても、よっぽど双子らしかったですよね^^

光りのゲオルクと闇のユリアン…
個人的には、どうしても闇のユリアンに同情的だったかなぁ~。
あ~何だか懐かしく思い出すと、興奮まで蘇りそうかも><

それにしても、皆川さん、かなりの双子好きだと思いません??
もしかして“双子フェチ”だったりして…(笑)
双子って、神秘的で謎めいたところがあるのは確かだから、
興味をそそられるのも分かるような気がしますね(*^^*)

*トラバどうもありがと~(^O^)/
こちらも遠慮なくいただいていきまーす☆

2014/12/21 (Sun) 17:29 | EDIT | REPLY |   
日向 永遠  
面白そう!!

nanacoさん、こんばんは!

皆川さんですね~最近、読んでないけど読みたい!
皆川さんの本は海外作品の様な雰囲気が大好きです。
これも凄そう!で是非読みたい。

2014/12/23 (Tue) 17:42 | EDIT | REPLY |   
nanaco☆  
miwaちんへ

miwaちん、お返事が遅くなってごめんね~(*_ _)人
そしてあけましておめでとうございます♪今年も仲良くして下さいね^^

>『双頭のバビロン』読破おめでと~!(^^)!
>そして、お疲れさま!肩こり、大丈夫~?(笑)

この本のせいで肩こりが酷かったけど、心地よい痛みだったわぁ~(笑)
装丁にしても、中身にしてもすごく重厚な本でしたね*^^*

>光りのゲオルクと闇のユリアン…
>個人的には、どうしても闇のユリアンに同情的だったかなぁ~。
>あ~何だか懐かしく思い出すと、興奮まで蘇りそうかも><

私も特にユリアンのほうに感情移入しちゃいました。。。
彼の不安定さが魅力の一つでもあるんですよねぇ、
その危うさを、かろうじてツヴェンゲルが繋ぎ止めている感じで><
ゲオルクは何だかんだで成功している感があるし、意外とまともな感じだし(笑)

>それにしても、皆川さん、かなりの双子好きだと思いません??
>もしかして“双子フェチ”だったりして…(笑)

確かに~('ー')皆川さん、絶対双子フェチだと思うわ!!
しかも、ちょっと病んでる双子とか多い気がしません??
皆川さんの描く耽美な雰囲気が、またよくマッチしているんですよね♪

私、実はまだ去年のベスト本リストアップしていなくて…
今日は時間があるから、これからのんびりブログ書こうと思います(^―^)
miwaちんはもうUPしたかな?後でゆっくり遊びに行きますね☆

*お返しトラバありがとう!!

2015/01/01 (Thu) 15:15 | EDIT | REPLY |   
nanaco☆  
日向 永遠さんへ

日向さん、お返事が遅くなってごめんなさい(>人<)
そして、明けましておめでとうございます♪今年もよろしくお願いします^^

>皆川さんの本は海外作品の様な雰囲気が大好きです。
>これも凄そう!で是非読みたい。

皆川作品、ホント海外の作品を読んでいるような感じですよね♪
どれを読んでも重くて(勿論良い意味で!)、
読み終えた後には、深い満足感が残る作品ばかり……本当に大好きです(=^_^=)

まだまだ読みたい作品が沢山あります!
『伯林蝋人形館』、『少年十字軍』や『海賊女王』もかなり面白そうで。
今年もどんどん皆川作品読んでいこうと思います♪
日向さんも是非ご一緒しましょう!!

2015/01/01 (Thu) 15:34 | EDIT | REPLY |   

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  •  『双頭のバビロン』 皆川博子
  • 今回レビューを書くのは 皆川博子さんの『双頭のバビロン』という作品です。 ◆あらすじ◆ 爛熟と頽廃の世紀末ウィーン。 オーストリア貴族の血を引く双子ゲオルクとユリアンは、 特殊な双子として生まれた為に、 それぞれヴァルターとブルーノの異母兄弟を庇護者として、 別々に引き離されて育てられた。 ゲオルクは名家グリースバッハ家の跡取りとなって陸軍学校へ行くが、 決闘騒ぎを起こ...
  • 2014.12.21 (Sun) 17:36 | 本を読みましょ